人間関係の中でも、「兄弟姉妹間の関係が一番難しい」とよく言われます。
特に同性同士の姉妹関係は、子どもの頃からの比較や役割分担、親の愛情配分などが複雑に絡み合って、
大人になってもわだかまりが残りやすいのです。
たとえば、姉は妹に、「いつも私ばかり叱られてきた。あんたは得してばっかり!」と怒りをぶつけることがあります。
これには、長年蓄積された“認めてもらえなかった”苦しさや、“損な役回り”ばかりだったという不満が根底にあることも
多いのです。
結婚や出産など、人生の節目を迎えるたびに、その「姉と妹」という関係性に、パートナーや義家族といった新しい
人間関係が加わり、さらにややこしくなってしまうことも。
こうした関係がこじれた時、多くの人が「どうしたら姉(妹)とうまくやっていけるのか?」と悩みますが、
結論から言えば「他人を変えることはほぼ不可能」です。
相手の態度を変えようとするほど、ますます苦しくなってしまう。だからこそ、視点を変える必要があります。
大切なのは、「関係を良くすること」に過集中しすぎないことです。
“姉妹関係の修復”にエネルギーを注ぎすぎると、その関係が自分の人生の中心になってしまいがちです。
でも、本来のあなたの人生は、姉妹関係だけではありません。
あなたが居心地のいい人間関係を、新たに築いていくことこそが、あなた自身の心を軽くし、自由にしてくれます。
たとえば、地域のコミュニティや趣味の仲間、仕事の同僚など、あなたをフラットに見てくれる人たちとのつながりを
増やすこと。
そこでは「妹だから」といったレッテルも、「昔こんなことがあった」という感情のしがらみもありません。
そうした関係の中で、自分を素直に出せたり、認められる経験を積み重ねていくことで、姉妹との距離感も、
客観的に見ることができるのではないか、と思います。
「姉妹だから、わかり合わなきゃいけない」
「仲良くしなきゃいけない」と思うほど、関係はこじれます。
そうではなく、「この人とは、ほどよい距離でいい」と割り切ることも、大人の選択肢のひとつです。
「姉妹だからこそ難しい」。
その現実を受け入れた上で、あなた自身の心を守る方法を選んでいきましょう。