気づかないうちに、人を遠ざけてしまうことがあります。
「どうしてあの人から連絡が減ったんだろう」
「前みたいに誘ってもらえないのは、なぜかな」
その裏にあるのは、嫌われたわけでも、あなたがダメなわけでもなく、 自分では見えにくい「小さなクセ」が、相手をそっと疲れさせている可能性です。
ここでは、その中でもよくある3つのパターンをお伝えします。
一つ目は、「かまってちゃん」になってしまうパターンです。
会うたびに、自分の近況や自慢話が止まらなくなるケースです。
たとえばランチで、子どもの成績、夫の仕事、自分の趣味の話を一気に話してしまう。
相手も最初は「すごいね」と聞いてくれますが、毎回それが続くと、 「私は今日も聞き役で終わったな」と感じていきます。
「だいぶしゃべったな」と気づいたら、
「ところで、そっちはどう?」と一言、相手にボールを返してみてください。
二つ目は、「自己れんびん」にはまり続けてしまうパターンです。
「私なんてダメだから」「どうせうまくいかないし」が口ぐせになっている状態です。
会うたびに同じ「できない話」「不幸話」が続くと、相手の心も重くなります。
たとえば、新しい習い事を始めようか迷っているとき。
「どうせ続かないし」「私にはセンスないから」と何度も口にしてしまう。
相手は最初は「やってみたら?」と本気で背中を押してくれます。
でも、どんな言葉をかけても必ず「いやいや、無理だから」と返ってくると、
「私の言葉はこの人に届かないのかな」と感じ、 誘いが減っていきます。
三つ目は、「相手の話を聞いていない」パターンです。
自分のボールはどんどん投げるのに、相手が投げ返してきたボールには目も向けない。
これが続くと、相手は「もうボールを投げるのはやめよう」と静かにあきらめます。
たとえば友人が「実は最近、親の介護でね…」と話し始めたとき。
そこで「そうなんだ。どんな感じなの?」と聞き返せればいいのですが、
「うちもさ〜」と、すぐ自分の話にすり替えてしまう。
これが続くと、「この人に話しても、私のことは聞いてもらえない」と感じて、 心のシャッターをそっと閉じてしまいます。
怖いのは、これらのパターンに、自分ではなかなか気づけないことです。
もし、過去に誰かから
「自分の話ばかりしているよ」
「私の話も少し聞いてほしいな」
と伝えられたことがあるなら、その人はとても貴重な存在です。
その一言をくれた人との関係は、大切にしてほしいのです。
「責められた」と受け取るのではなく、
「私のことを思って本当のことを言ってくれたんだ」と受け取り直す。
そこから、話し方や聞き方を少しずつ変えていけば、人間関係は変わっていきます。
完璧な人なんて、どこにもいません。
「もしかして、私もやっているかも」と気づいた瞬間から、 少しずつ、相手の心によりそう会話に変えていけばいいのです。