後悔を引きずらないために、大切にしたい2つのこと

 

「あんな言い方をしなければよかった」
夜、布団に入ってから、昼間のやりとりを思い出すことがあります。相手はもう忘れているかもしれないのに、自分の中では何度も同じ場面がくり返される。そんな夜は、心まで休まらないです。

後悔が残るときは、自分の中で、そのできごとがまだ終わっていないのかもしれません。伝えたいことがあったのに言えなかった。わかってほしかったのに、イライラをぶつけてしまった。その場で置き去りになった思いが、あとから顔を出すことがあります。

たとえば、帰宅した夫に「私ばっかり大変なんだから」と強く言ってしまったとき。本当は「今日は疲れたから、少し手伝ってほしい」と伝えたかったのかもしれません。でも、あとから浮かぶのは、夫のむっとした顔と、自分へのダメ出しばかりです。そんなとき、「次は、疲れていることを先に伝えよう」と思えたなら、それも今回のできごとから得たものです。言いすぎたことは消えなくても、自分が何をわかってほしかったのか、少し見えてきています。

娘の話に、つい「だから言ったでしょう」と口をはさんでしまうこともある。娘が黙ってしまってから、「ただ聞いてほしかったんだな」と気づく。そこで「さっきは話をさえぎったね」と声をかけたり、次は最後まで聞こうと思ったりすることも、関わり方が変わるきっかけになります。

後悔している間は、できなかったことばかりが目に入りがちです。でも、「次はこう言いたい」と思えたことまで、なかったことにしなくてもいいのだと思います。反省だけで終わらず、これからに生かせるものが一つ見つかると、気持ちにも少し区切りがつくことがあります。

もう一つ、後悔につながりやすいのが、「本当は嫌だったのに、やらされた」という思いです。

たとえば、休日に母の用事に付き添って、一日が終わったとき。「せっかくの休みだったのに」と思うほど、断れなかった自分まで責めてしまうことがあります。母のため、という気持ちと、自分の時間も大切にしたいという気持ちのせめぎ合いです。そんなとき、後悔を減らすことにつながるのは、引き受ける前に、自分のできる範囲を伝えることだと思います。「午前中は付き添えるけれど、午後は休みたいから帰るね」「今日は難しいけれど、来週の火曜日なら行けるよ」。相手の希望をすべて引き受けず、自分の都合も含めて返事をする、ということです。

伝えるときには、申し訳なさを感じるかもしれません。それでも、「ここまではできるけれど、これ以上はできない」と言えたなら、引き受けた時間を「自分で決めたこと」として過ごしやすくなります。私は、こうして自分の気持ちも大切にした選び方が、あとから自分を責める時間を減らしてくれるのではないかと思います。

後悔を引きずるのは、それだけ大切にしたかった思いや、望んでいた過ごし方があったからかもしれません。過ぎたことを責め続けるかわりに、「次はどうしたいかな」と自分の気持ちを聞いてみる。私は、そんなふうに後悔をこれからの選び方につなげられると、心に少しゆとりが生まれるのではないかと思います。