「長男は夫の代わりじゃない」——母と息子の距離感を見直すとき

あなたには長男がいますか?
そして、気がつけば長男と何でも話し合い、頼りにしてしまっていませんか?
 
 
「夫に相談するより、長男の方が分かってくれる」
「この子といると安心できる」
そんなふうに感じたことがあるなら、以下の文章は、大きな気づきになるでしょう。
 
 
母親と長男は、もともと気質が似ていることが多いものです。だからこそ、母親は夫よりも長男に話した方が楽で、的確な答えが返ってくると感じてしまう。そして、いつの間にか家庭の大事な決定事項まで、長男と相談して決めるようになってしまいます。
 
 
すると、どうなるでしょうか?
母親と長男の絆が強まる一方で、夫の関係はどんどん疎遠になっていきます。長男にとっても、母親は「守るべき存在」になり、彼は母を放っておけなくなり、結婚しても無意識のうちに母親を最優先する ようになるのです。
 
 
「お母さん、大丈夫?」
「何かあったら、いつでも言ってね」
そんな長男の優しさに甘えてしまう母親もいるでしょう。でも、そのとき、長男の妻はどう感じるでしょうか?
 
 
夫が何かを決めるとき、まず母親の意見を聞き、妻よりも母親を優先する——。 それが続けば、息子の結婚生活は次第に崩れていきます。長男の幸せを願うなら、母親が「私は夫の代わりに長男を求めていなかったか?」と、一度立ち止まって考えることが大切です。
  
 
もし、あなたが「うちの長男は私を大事にしてくれるから大丈夫」と思っているなら、それは危険なサインかもしれません。 母親として、息子の人生を心から応援するなら、「長男の最優先は、母親ではなく妻であるべき」 だと知ることが必要です。
 
 
これは、将来、あなたが介護を必要とする場面でも同じです。「私のことを最後まで面倒見てくれるのは長男」と、当たり前と思ってしまうと、長男の人生のすべてを奪ってしまうことになるかもしれません。息子が自分の家庭を大切にできるように、母親自身が「長男との距離を適切に保つ」ことを意識することが、親子関係を健全にする鍵なのです。
 
 
母親と長男の絆は、特別なものです。でも、それが強すぎると、息子は自分の人生を生きられなくなってしまう。
だからこそ、「私はこの子を夫の代わりにしていないか?」と、時々振り返ってみることが大切です。そして、「息子が幸せな家庭を築くことこそ、母としての幸せ」だと、心から思えるようになれたとき——あなたと長男の関係は、さらに深く、穏やかなものに変わっていくのです。