熟年離婚の真実〜“居場所がない夫”と“我慢が限界の妻”〜

熟年離婚。
結婚生活25年以上を経ての離婚が、いまや全体の20%を超えている現実。
  
その理由を男女別に見ていくと、背景にある「感情のすれ違い」は驚くほど明確です。

  
まず、男性側の離婚理由で多く挙がるのが、「家の中で居場所がない」「妻から感謝やねぎらいがない」といった寂しさ。
たとえば、退職後に家にいる時間が長くなった夫が、会話の中でふと「今日の昼は何?」と聞いただけで、「またそれ?」と邪険にされ、孤独を噛みしめる…。
そんな些細なやりとりの積み重ねが、心を冷やしていきます。
  

一方、女性の離婚理由は、ずっと溜め込んできた感情の「爆発」です。
例えば、子どもが高熱を出して心細かった夜。夫に「病院まで一緒に来て」と言ったのに「仕事があるから無理」と背を向けられた。義母との関係に悩んで相談しても「うちの親なんだから我慢して」と突き放された――。
そのたびに「この人は私の味方じゃない」と心に刻んできました。
そして、ある日ふと「もう限界だ」と、すべてが決壊するのです。
  

男性は「最後の最後に捨てられた」と感じますが、
女性からすれば、“ずっと放っておいたくせに、今さら何を言うの?”というのが本音です
    
彼女たちは爆発する前に、何度も、何度も、サインを出していた。言葉にしないサインもあった。
でも、それに気づかれなかった、あるいは見て見ぬふりをされた。
だからこそ、最後は“爆破”という形でしか出せなくなるのです。
  

こうした悲劇を避けるためには、感情を「小出し」にしていける関係性が必要です。
「なんでも話せる夫婦関係」を理想として掲げるのではなく、「感情をためすぎない仕組み」を作ること。
たとえば週に一度、15分でもお互いに話を聞く時間を設ける。
たとえ忙しくても、「ありがとう」「助かったよ」という一言を惜しまない。
そういった“感情の換気”が、とても大切なのです。
 

熟年離婚は突然起こるものではありません。
「感情の無視とすれ違いが何年もかけて育ててしまう“静かな地雷”」です。

でも、これを避ける手立てはたくさんあるはずです。
日々の小さな気づかい、感謝、思いやり。
それらを惜しまず積み重ねていくことで、爆発ではなく「対話」で心をほどく関係は、いくつになっても築けるはずだと思うのです。

熟年離婚を“避けられない結末”にしないために、今からでも遅くない!
気づいた方から、変わっていけばいいと考えます。