なぜあの子がうらやましいのか——その気持ちのやさしいほどき方

人の子どもを見て、心の中でチクッとする時があります。

「なんであの子だけ…」「どうしてうちの子は…」

こんな気持ちになると、自分が小さく見えてしまい、ものすごくイヤになりますよね。

でもね、まずはこれだけは言わせてください。

嫉妬は“悪い心”じゃない。人として当たり前の反応です。

周りとの“差”が気になるのは、親に限ったことではありません。

スポーツで賞を取ったとか、有名校に受かったとか、SNSでキラキラした姿を見たとか。

比べたくなくても比べてしまう。

その時、まずしてほしいのは——

「嫉妬してもいい」と自分に言うことです。

心は抑えつけるほど暴れます。

嫉妬を否定しているあいだは、目がずっと外側に向いたまま。

よその子の「すごいところ」ばかり見えて、ますます苦しくなります。

でも「今、比べてつらいんだな」と認めると、ふっと力が抜け、「じゃあ一度、うちの子をちゃんと見てみよう」と視線が戻ってくるのです。

次にやってほしいのは、

“子どもの才能日記”をつけること。

むずかしいことを書く必要はありません。

「今日は人に優しかった」

「ごはんを最後まで残さなかった」

「テレビを消して自分で勉強していた」

そんな小さなことでOKです。

人はどうしても、ネガティブを拾いやすいもの。

特に親は、わが子だからこそ粗が目につきやすい。

でも「見つけるぞ」と決めて書くと、不思議と良いところが出てきます。

そしてそれが積み重なると、

“うちの子にはうちの子の道がある”

この感覚が体に戻ってきます。

そして最後に。

もしあなたが、子どもとずっと向き合いすぎて苦しくなっているなら、

少し距離を置いてください。

罪悪感はいりません。

買い物に行く、カフェでコーヒーを飲む、散歩する。

ほんの15分でもいい。

距離ができるだけで、心に酸素が入ります。

嫉妬は「あなたがダメな母」というサインではありません。

あなたが“必死に子どもを思ってきた証拠”です。

その気持ちさえ、ゆっくりほどけば、

あなたの心はもっと楽に、

そして子どもの良さも前よりずっと見えるようになります。