リラックスが苦手な人ほど、まじめで、がんばり屋です。
家のこと、仕事、親のこと、子どものこと。やることが多いほど、頭はずっと「次は何?」と走り続けます。
そんなとき「よし、リラックスしよう」と考えるほど、逆に力が入ります。
考えてできるのは、せいぜい反省と段取り。
からだの力は、頭の号令では抜けません。
だから発想を変えます。
リラックスは「気分を落ち着かせる」より先に、「からだをゆるめる」こと。
むしろ半分強制で、からだ側から先にゆるませた方が早いです。
方法はシンプルに3つ。
あなたに合うものだけで十分です。
1つ目は、湯船に入ること。
シャワーで済ませがちな日ほど、湯船が効きます。
肩までつかる必要はありません。みぞおちあたりまででOK。
10分だけでも、からだが「あ、もう戦わなくていいんだ」と思い出します。
例えば、夕方に親の介護の電話が入って気が張った日。
そのまま夕飯を作ると、心も顔もこわばったままになります。
先に湯船に入ってから台所に立つと、同じ作業でも息が深くなります。
湯船がむずかしい日は、洗面器で足湯でも十分です。足が温まると、肩が落ちます。
2つ目は、ちょっとだけ激しめに動くこと。
ポイントは「長く」ではなく「短く、しっかり」。
階段を上り下りする、早歩きを10分、スクワットを20回。
息が上がる手前までで止めます。
例えば、職場で気をつかいっぱなしで帰宅した日。
家に着いても頭が回り続けて、スマホを見ては余計に疲れる。
その前に10分だけ歩くと、頭のざわざわが静かに下がります。
家でその場足ぶみ1分でも、からだは反応します。
3つ目は、あえて没頭して、何かを続けること。
「休もう」として休めない人には、これが合います。
集中できる作業を選び、区切りまでやりきる。
掃除でも、編み物でも、庭の手入れでもいい。
3つとも、終わったあと、ぐたぁ〜となる。
それが結果的に、からだをゆるめるスイッチになります。
例えば、家族の用事に振り回されて一日が終わった夜。
ベッドに入っても考えごとが止まらない。
そんな日は、キッチンの引き出し1つだけを片づけてみる。
やり切った感が出ると、ふっと電源が落ちます。
大事なのは、「上手に休む」ではなく「力が抜ける形を作る」ことです。
リラックスが下手なのは欠点ではありません。
あなたが日々、誰かや何かを支えてきた証拠です。
今日できるのは、湯船か、10分の強めの動きか、没頭して一区切り。
どれか1つだけ。
からだが先にゆるめば、気持ちは後から追いつきます。
ただし、無理はしないでください。
痛みやめまいが出るときは休んで下さいね。