
長女と次女の仲が悪くなりやすいのは、ただ性格が合わないから、というだけではありません。
姉妹の間にあるギクシャクの奥には、親子関係や夫婦関係の空気が重なっていることが少なくありません。
たとえば、長女はお父さんの考え方に近くなりやすく、次女はお母さんの感じ方に近くなりやすい、ということがあります。もちろん、すべての家族がそうとは限りませんが、セッションでこのことを話すと、「その通りです!」とおっしゃる方がとても多いのです。そして、実際にはこの違いが、姉妹のすれ違いを深くしている場面をよく見ます。
もともと夫婦は、自分にないものを持つ相手にひかれやすいものです。最初は「こんな考え方もあるんだ」と新鮮に感じていたのに、時間がたつと、「どうしてそんなふうに言うの?」「なんで分かってくれないの?」に変わっていくことがあります。
その違いをそのままにしてしまうと、家の中に見えない距離ができてしまいます。
すると、お父さん側の気持ちをくみやすい長女と、お母さん側の気持ちに寄りやすい次女は、「対立」関係になってしまうのです。
たとえば、実家に帰った時のこと。
長女がてきぱき動いていると、「やっぱりお姉ちゃんは頼りになるね」と言われる。すると次女は、心のどこかで「私はちゃんとしていないと思われているのかな」とさみしくなることがあります。
反対に、次女がお母さんと楽しそうに話していると、長女は「また私だけ分かってもらえていない気がする」と感じることもあります。
また、親のことや実家のことを相談する場面でも、すれ違いは起こりやすいです。
長女は「早く決めたほうがいい」と現実を見て話し、次女は「そんなふうに急がないで。気持ちが追いつかない」と感じる。
どちらも間違っていないのに、言い方や受け取り方で、「冷たい」「めんどう」「分かってくれない」となってしまうのです。
でも、本当に大事なのは、姉妹でも別々の人だと知ることです。
同じ家で育っていても、心に残っていることも、がんばってきたことも、つらかった場面も、それぞれ違います。
長女には長女の苦しさがあり、次女には次女のさみしさがあります。
長女は、「しっかりしなきゃ」と思ってきた人かもしれません。
次女は、「もっと分かってほしい」と思いながら、大人になった人かもしれません。
どちらが悪いのでもなく、それぞれにその人なりの事情があるのです。
だからこそ、姉妹の関係は、大人になってからやり直すことができます。
「姉なんだから」「妹なんだから」ではなく、一人の人として見てみること。
この人は私とは違う感じ方をするんだ、と受け止めること。
そこから、少しずつでも、新しい関係は育っていきます。