「長女は特別な存在——だからこそ、父親がすべきこと」

あなたには長女がいますか?

そして、長女といると、自然と話が弾み、気が合うと感じることはありませんか?

 

実は、父親と長女は、お互いの資質がよく似ていて、自然と仲が良くなりやすい という事実があります。趣味や趣向が似ていたり、ペースが合ったり、話が合ったりするので、時に母親よりも話しやすいと感じることすらあるかもしれません。

 

しかし、ここで気をつけるべきことがあります。

 

父親と長女の関係が近すぎると、知らぬ間に母親(妻)を孤独にさせてしまうのです。気づけば、長女と二人で結託し、母親が入り込めない世界を作ってしまうこともあります。そのとき、妻は「私の男に何するのよ!」くらいの強い意志で、2人の間にぐいっと入る必要があります。

 

これは、単なる母親の嫉妬ではありません。むしろ、長女が「ファザコン」から卒業し、自分の人生を生きるために必要なプロセス なのです。

 

多くの場合、長女にとって父親は初恋の人。「こんな人と結婚できたらいいな」と思う憧れの存在です。それ自体は健全なものですが、父親との距離が近すぎると、彼女は無意識のうちに「この安心感を超える男性はいない」と思い込んでしまう。結果として、恋愛や結婚に対して消極的になり、理想が高くなりすぎてしまう ことがあります。

 

父親として娘を愛することは、とても自然なことです。でも、それが行き過ぎると、娘の成長の妨げになってしまうのです。

 

だからこそ、父親が意識すべきことは、「娘の特別な存在でありながらも、一線を引くこと」。たとえば、母親(妻)をないがしろにせず、「お母さんとちゃんと話してくるよ」と娘に伝えること。夫婦の関係を大切にしている姿を見せることで、長女も「母親の立場」を意識し、父親との距離を適切に取れるようになるのです。

 

そして、最も大切なのは、父親は「見守る存在」へとシフトすること。娘の人生の中心は、いつまでも「一番話ができる、もっとも距離が近い異性」であってはならないのです。

 

長女にとって父親は、唯一無二の存在です。でも、彼女が本当の意味で幸せになるためには、「父親ではなく、彼女自身が選んだパートナーと人生を築けること」 が何よりも大切。それが、娘を愛する本当の意味だと思います。