「肩書きのない友達」が、心の支えになることがある
子どもの成長とともに、ママ友との関係が自然と薄れていく。
転職や退職をきっかけに、職場の人とも連絡を取らなくなる。
学生時代の友人とは、話が噛み合わなくなってきた。
——「気づいたら、誰にも本音を話せる相手がいない」
40〜60代の女性から、こうした声をよく聞きます。
これまで築いてきた人間関係が“役割”に結びついた関係だったことに、ある日ふと気づくのです。
ママ友は「子どもを介した関係」、
職場の友人は「仕事を介した関係」、
学生時代の友人は「過去を共有した関係」。
それぞれの場から離れたとき、会う理由や話すきっかけがなくなってしまう。
大人になるほど、「利害関係のない友達」の存在がどれだけ貴重かに気づかされます。
地位や役割ではなく、「その人自身」と話せる関係。
張り合わなくていい。比べなくていい。
見栄を張らずに、「今日はしんどかった」と言える人。
そんな友達がいるだけで、心はずいぶんと軽くなります。
でも——
「どうやってそんな友達を見つければいいのかわからない」
「もうこの年齢で新しい友達なんて作れない」
そんな思いが、心をブレーキさせてしまいます。
でもね、最初から“ぴったり合う人”なんて、そうそういないんです。
むしろ、大人になってからの友達は“育てるもの”です。
例えば——
同じ趣味の講座に参加してみる。
カフェで隣に座った人に「その本、面白いですか?」と話しかけてみる。
興味のあるオンラインコミュニティに勇気を出して参加してみる。
もちろん、うまくいかないこともあるでしょう。
でも、「今回は会わなかったな」で終わっていいんです。
そうやって小さな挑戦を重ねていく中で、心が少しずつ開いていきます。
そしてある日、「また会いたいな」と自然に思える人に出会えたとき。
その関係は、きっとあなたの心をふわっと温めてくれるはずです。
役割や義務に縛られない関係。
損得勘定を手放して、ただ“素の自分”でいられる時間。
そんな友達を持つことは、人生後半を心地よく過ごすための、大切な財産になります。
あなたがあなたらしくいられる場所を、あきらめないでくださいね。